サブカルチャーとサブカル女子
「サブカル」。
サブカルチャーの略語です。
サブカルチャーという用語は、もともと「主流文化に反する個人のグループ」という意味を持っていました。「サブ」というのは社会的マジョリティの文化・価値観から逸脱した、エスニック・マイノリティやストリートチルドレン、ゲイといった「下位集団」を指しており、「カルチャー」はメディア文化以外の価値観、行動様式、話し言葉など、本来の「文化」に近い意味で使われていました。
つまり海外、特に欧米では、「サブカルチャー」は社会の支配的な文化(メインカルチャー)に対する、マイノリティの文化事象(カウンターカルチャー)を指す言葉として使われていたわけです。
ところが日本における「サブカルチャー」は、その意味する所が大きく異なります。
サブカルチャーという言葉が輸入されたのは1980年頃。その時代はニュー・アカデミズムが流行しており、専門家以外の人が学問領域、特に社会学や哲学、精神分析などの言葉を用い学際的に物事を語るようになりました。これらの流れは多くの若い知識人や学生を魅了し、「80年代サブカルチャーブーム」なる流行を作り出しました。この頃のサブカルチャーは漫画、アニメ以外にも、SF、オカルト、ディスコ、クラブミュージック、ストリートファッション、アダルトビデオ、アングラ・・・等、現在よりも多くの領域を守備範囲としていました。
この80年代サブカルチャーに共通して言えることは、マイナーな趣味であるということ。この段階で、既に本来のサブカルチャーが持っていたエスニック・マイノリティという要素は失われています。
そもそもエスニック・マイノリティという概念の無い80年代の日本です。少数のサークルによる若者文化こそが、サブカルチャーとして発展していったのです。
80年代のサブカルチャーにおいて、それぞれの愛好者たちは別々の集団を形成していました。ところが90年代に突入すると、メディアミックスの名のもとに漫画、アニメといったジャンルの統合が進みました。漫画がアニメ化され、アニメが小説化されるという現象によってこれらのジャンルは急速に接近し、俗に「おたく文化」と呼ばれる、他のサブカルチャーから突出した同質性を持つ集団を形成するようになりました。現在では、この「おたく文化」がサブカルチャーの最大与党であり、サブカルチャーそのものという見方すらされています。
ここまでが大体Wikipediaに書いてあることです。
正直なところ、文章で説明されても解りづらいと思います。サブカルチャーに関する講義を聴いたりレポートを書くためにネットで調べたり文献に何度も目を通したりしてようやっとぁぁ~~~~なるほどねぇ~~~~~??となっている程度です。
ということで、百聞は一見に如かず、「サブカルチャー」を画像検索してみました。
情報量が凄い
あぁ~~確かに、Wikipediaに書いてあったように、サブカルチャーっておたく文化なのかなと理解できる検索結果でした。
サブカルチャーの略語「サブカル」でも検索をかけてみました。
!?
検索結果が全く違います。
「サブカル」=「サブカルチャー」の略語=サブカルチャーとサブカルは同じもの
という等式はどうやら成り立たないようなのです。
まず、「サブカルチャー」に比べ、「サブカル」は明らかにおたく文化要素が少ない。
そして随所で光る、サブカル女子なる文字列とイラスト。
サブカル女子って、一体何なんでしょう。
目についた「サブカル女子」を、その見た目から独断と偏見で分類してみました。
File1:アート系サブカル女子
美大にいそう
(https://twitter.com/ysd810/status/237693383215312896/photo/1)
ボブヘアーにセルフレームの眼鏡、
ヘッドホン、カメラ、ギター、生脚は見せず、タイツで。
派手目な色をチョイスして個性をプラス。
スタバ。SNSには強い。と言った感じでしょうか。
File2:人畜無害系サブカル女子
まぁ地味な
(http://matome.naver.jp/odai/2135734699887445001)
(http://www.ttrinity.jp/shop/sheiscyanic/design/1465246)
「人畜無害」と「サブカル」がもはや矛盾していますが。
ボブヘアー、ベレー帽。
セルフレームの眼鏡、カーディガン、猫アイテム。
File3:ゆるふわ系サブカル女子
森ガールの派生型でしょうか。
ヘッドホン、ゆったりとしたシルエットのトップス、長めのスカート。
File4:サブカルクソ女
(https://twitter.com/KUSOsyokei)
作者はサブカル女に親でも殺されたのでしょうか。
マッシュ、ベレー帽、ヘッドホン、ゆったりしたトップス。
派手目なカラータイツ。奇を衒ったアイテム。
サブカルチャーとサブカルがどうやらイコールの関係にないらしいということは先程申し上げました。
同様にして、「サブカル女子」も「サブカルチャーに明るい女子」を指すというわけではなさそうなのです。
それでは、サブカル女子とは?
上でパターン分けしてみましたが、この人たち、互いに共通点を持っていたりします。
・ボブヘアー
・ベレー帽
・セルフレームの眼鏡
・ヘッドホン
・猫アイテム
・ゆったりめのトップス
・カメラ
・長めのスカート
・カラータイツ
あ~あ~、なんだか自分に思い当たるアイテムがいくつも。
そうです、このブログを書いているわたしこそサブカル女子と言われる張本人です。
自慢じゃないですがわたしはサブカルチャーについて全く知識がありません。
趣味にしたこともありません。
それなのに「サブカル女子」と言われる所以・・・
それはおそらく、ファッションなのです。
ボブヘアーをそのまま伸ばして今に至ります。ベレー帽よく被ります。
授業中や車を運転するとき(現在ペーパー)は眼鏡掛けます。セルフレーム。
ヘッドホンはケーブルが断線中なので一年半位使っていませんが。
長めのスカート履きます。カラータイツ履きます。
そう、ファッションの可能性が限りなく高いのです。
このようなファッションをする女子=「サブカル女子」
と無意識下で人は認識しているのではないでしょうか。
・・・と思っていたのが二か月前までの自分です。
二か月前、まだ厳しい暑さの残る九月のことでした。
ベレー帽なんて被る気も、長いスカートを履く気も起きず、
その日はTシャツとショートパンツだけで出掛けました。
さながら虫捕りに雑木林に向かう少年のようでした。
ところが言われたのです。
「今日もサブカル臭いね」
?
今日?
これ?
少年のような服装が?
サブカル女子要素一つもないけど?
考えました。これは。
サブカル女子要素を一つも取り入れなくても、人にはサブカル女子っぽく映る。
一体どういうことなのだろうか。
そこで今一度、サブカル女子たちの画像をじっくり見てみました。
おや・・・この人たちもしかして全員・・・?
そして鏡の中の女。
サブカルっぽさって、要は顔の薄さだったんだ。